韓国に続け! 韓国デザイン保護法に見るダイナミズムと柔軟さ
韓流ですが、もはやブームではなく、定着した感すらあります。 確かに韓流は面白い。 私も続けざまに映画「殺人の追憶」「トンマッコルへようこそ」「JSA」を見て、その完成度に唸ったくちです。 邦画は韓流を見習うべきでしょう。 しかし、見習うべきは映画だけではありません。 意匠専門の弁理士である私としては、韓国のデザイン保護法に注目しています。 |
韓国のデザイン保護法ですが、そもそもは日本の意匠法を参考に作られています。
いわば日本の意匠法の弟みたいなものでした。
しかし、韓国はデザインを重視する知財政策を推進し、日本に先立って次から次へと新制度を導入しています。
例えば韓国のデザイン保護法では、日本の意匠法では保護されない書体なども保護対象です。
また、ダブルトラック制度を採用しており、例えば衣服などの物品分野は無審査登録主義であり、いち早く権利化することが可能です。 特にダブルトラック制度の導入は大いに参考になると思います。
例えば、アパレル業界では、商品の寿命が極端に短い。
なので、登録に時間がかかる審査主義の場合、意匠出願の意味があまりないことも多い。
結果、コピー商品が溢れることになります。
それを考えると、韓国がダブルトラック制度を採用したのは、出願人のニーズを的確に汲んだものと評価できます。
また、韓国はさらにデザイン保護法を改正します(施行日は2012年1月1日以降)。
それによれば、ロゴ、キャラクター、アイコンなど、物品とは離れたデザインも保護対象となりました。
これはかなり思い切った改正です。 日本では意匠は物品と不可分であることが大前提です。
よほどのことがない限り、このような決意は不可能でしょう。
韓国も改正しているから日本も改正しよう、とは思いません。
しかし、韓国のダイナミックさ、そして柔軟さはどんどん見習うべきではないでしょうか?
事実、日本の意匠出願件数はどんどん減っています。
出願人のニーズに合った改正を行い、出願を増やし、そして産業の発達に寄与すべきときが来ているのかもしれません。